先日、こんなニュースが話題になりましたね。

Zepp系列の箱が大して好きじゃない自分としては

なくなっても別に…って感じ。

Zepp級のライブに行くこと自体が減ってるし、

Zepp Tokyoがなくなったとしても

すぐ近くにZepp DCTあるし、

ここ最近だと、羽田にもZeppできなかったっけ?

同キャパなら新木場あるし、豊洲もあるしさ。

個人的には、なくなったとしても

なーんも困らんな。

つーか、閉館なんてネット民が騒いでるだけで

一応、"正式に決まってはいない"って言ってるし、

そもそもこの再開発でアリーナ会場ができるみたいだし、

ライブできる場がなくなるワケじゃないから

別にいいんじゃねーの?

どうも、トトです。




それでは、

6月リリース作品の単発レビュー記事としては

最後となるものを書いていきましょう。

こういった音楽性のバンドのレビューは

今までにあまりしてこなかったし、

だからこそ不慣れな部分も多々あるけども、

これは書かないと…

と、ある種の使命感みたいなものに駆られ

こうして記事にした次第です。




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Grey Daze『Amends』
04. The Syndrome
05. In Time
06. Just Like Heroin
07. B12
10. She Shines
11. Shouting Out







Linkin Parkのボーカリスト、故Chester Bennington

10代の頃に組んでいたバンドGrey Daze

Chesterのボーカルそのままに、新しいアルバム

Amendsを6/26にリリースしました。


リリース前から話題になってましたね。

Grey Dazeの公式アカウントからUPされている

↑のドキュメンタリーも日本語字幕が付いてるので

是非とも見て欲しいです。


そして、ds/Seanはインタビューの中で

伝えたいことはChesterが卓越したシンガーであり、ソングライターだったってことと、素晴らしい人間だったってことだよ。違う光を当てたChesterを聴いてほしい。LINKIN PARKの音楽とは離して聴いてほしいんだ。これはChesterのバンドなんだと思ってほしい。彼が俺に電話してきて、"自分のロック・バンドをやりたい"と言ったことで、またGREY DAZEをやることになっていったから、そこをわかってほしいんだ。

と、インタビューで語られています。

ボーカルが複数バンドに在籍していた場合や、

世界的にも大きなバンドになっていた場合、

そのバンドでしか聴けないという人もいますが

そういう先入観は取っ払って聴け!

ということですね。


それをちゃんと意識して、

Grey Dazeの作品を聴いていきましょう。




Sickness
まずはオープニングトラックの"Sickness"
太く、残響感のある竿隊のサウンドが際立ち、
そこにChesterのクリーンボーカルと、
シャウト気味なボーカルによって形作られます。
これが10代の頃のChesterの声だとしたら
既にこの頃から完成されていたのは驚愕ですね。
いくらマスターテープが残っていたとはいえ、
これを現代でも違和感のないような仕上がりになったのは
制作チームの努力の賜物でもあったことでしょう。
3分にも満たない楽曲ながら、今作の印象を決定づけるに
十分な楽曲に仕上がっていると思います。




Sometimes
2曲目はつま弾くアコギサウンドから
静かに幕を開けます。
しかし、ボーカルが力を帯びていくにつれ、
ヘヴィなギターや力強いドラムのビートと共に
ポストグランジの流れを汲むように
バンドサウンドも重くなっていき、
1曲目同様、湿り気のあるロックサウンドを展開。
アウトロにはピアノサウンドも響き、
しっとりと締めていきます。

メッセンジャーアプリのように歌詞を表示していく
Lyric Videoは、非常に現代的で面白いですね。
終盤に出てくるChesterの静止画や動画は泣ける…




What's In The Eye
3曲目ではアコギではないけど、
クリーンなギターが鳴り響きます。
これまでの3曲はどれも湿った雰囲気を醸し出し
力強いロックサウンドは展開さながらも、
ミドルテンポでボーカルが映えるようになっています。
ラストはChesterのハスキーなロングトーンと
歪んだギターサウンドで幕を閉じます。




The Syndrome
これまでよりも壮大な雰囲気が漂う4曲目。
微かに響くコーラスも良い感じ。
Chesterの伸びのあるボーカルによって、
アリーナ級の会場でも映えるようなサウンドに。
ブレイクパートではサウンドもよりヘヴィに。


In Time
今回の作品の中でいちばん最初に耳に残り、
いちばんのお気に入りとなった5曲目。
タイトルの通り、イントロSE時計の針音を流し
そのまま淡々と時を刻むように鳴り続けます。
そこから切なげに響くピアノサウンドに、
Chesterの優しい歌声がこだまします。
サビではクラップパートを導入し、
Chesterが至極のメロディで歌い上げる。
このメロディの美しさ、グッドメロディ感は
今作イチと言っても過言じゃないのでは?
ピアノとChesterの歌声がエモーショナルさを引き立てる。
アウトロのボーカルまで、曲全体を通して
素晴らしい歌声を聴かせてくれます。


Just Like Heroin
6曲目は、淡々と打ち付けるリズム感が
どこかニューメタルっぽさを感じさせます。
サウンドのヘヴィさも、今作の中ではかなり重め。
ここではChester渾身のシャウトも聴けます。
シャウトはさすがに若さが見て取れるけど、
これが往年のChesterのようになるんだから、
Seanの先見性の高さよね。



B12
この7曲目では、KornMunkyHeadが曲制作に参加。
そのせいか、ギターの重さもなかなかのものに。
そしてChesterのラップ調のボーカルも聴けます。
それもあってか、ミドルテンポ寄りではあっても
今作の中では走ってる方だと思います。
それでもどっしりとしたロックサウンドはそのまま。
インタビューでは
「B12」のレコーディングをしているときに、ちょうどレコーディングした「Morei Sky」を聴き直すためにコントロール・ルームに行ったら、Chesterがトラックの最後でプロデューサーに"今のどうだった?"と話している部分があって、それをあえて入れておこうと決めたとき、HeadやMunkyもいたんだけど、みんなで顔を合わせて、"Chesterがここにいるね"って話したのが忘れられないエピソードだった。Munkyなんて涙ぐんでいたよ。
と語られていましたね。
過去の動画や、歌詞に連なる映像を使いつつ、
現行メンバーはボーカル不在のまま演奏をしている…
そんなMVを見てると、PTPのラストライブ思い出すわ(´;ω;`)




Soul Song
5曲目同様、ピアノサウンドをバックに
優しく、美しいボーカルを響かせる8曲目。
しかし、ここではシャウト気味に力あるボーカルもあり
慟哭的なシャウトにまた、叙情的になります。
そしてこの曲では、バッキングボーカルに
Chesterの息子であるJamieが参加しています。
曲の美しさ、優れたメロディなだけでなく、
この親子共演がまた涙を誘う展開になりますね(。´Д⊂)




Morei Sky
9曲目でもバックに鳴るピアノは継続、
ファルセットな歌声から曲はスタート。
ある種のピアノバラード的な様相を見せる。
歌もの系の楽曲だと、よりChesterのボーカルが際立つ。
アウトロで響くピアノサウンドもgood




She Shines
そして今作イチの重低音を響かせる10曲目。
ここではBreaking Benjamingt/Jasenと、
再びKornHeadが参加しいています。
この重さは、この2人もいてこそなんでしょうかね。
ズンと腹に響くほどのヘヴィサウンドを展開します。
Chesterが死という選択をしたことに
怒りを露にしていたのが、他でもないHeadでした。
そんなHeadが制作に携わり、実際にギターを
プレイもしてるとなるとまた感慨深いですね。


Shouting Out
今作ラストトラックの"Shouting Out"
オープニングからコーラスを響かせつつ、
そのままChesterのクリーンボーカルへ。
同時に聴こえてくる女性ボーカルが、
インタビューで語られているLPでしょうかね?
オープニングと曲中にも響いていたコーラスは
もちろんエンディングでも。
そして最後の最後にはChesterのボイスメール…
この楽曲の雰囲気からのボイスメールは卑怯だけど
締めるにはこれ以上ない締めだと思います(´;д;`)




以上、

Grey Daze『Amends

でした。

Chesterの死から今年で3年…

Seanの、バンドの意欲により、

彼の声で紡がれるバンドの楽曲が世に放たれました。

バンドのジャンル的には流行りではないかもしれない。

しかし、そんな世の流れとは無関係に

己のサウンドを貫き通し、

Chesterのボーカルも収録時のまま使用された。

爆売れなんかしないだろうし、

Linkin ParkChesterしか知らない人は、

今作のことすらも知らずに終わるかもしれない。

それでも、当時のChesterのボーカルを使い、

現代のものと遜色ないサウンドに仕上げ、

このアルバムを完成させたい

その思いを現実のものとした、Seanをはじめとした

バンドメンバー、Seanを信じたChesterの妻Talinda

大きな感謝をしたいですね。



普段、こういった音楽、

こういったバンドは頻繁に聴かない為、

言葉足らず、知識足らずなレビューですが、

少しでも多く、1人でも多くの人が聴く

キッカケになればと思います。

Grey DazeAmends

是非ぜひ、ご一聴。





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